開発者対談<第1回>
宮ちゃん&ピク中村対談
『ダビつく3』プロデューサーの宮ちゃんと、ディレクターのピク中村が今回の『ダビつく』を語る! どんな開発秘話が飛び出すか? いちおう連載の予定です。

宮 : プロデューサー 宮ちゃん
ピ : ディレクター ピク中村
K : 進行 児玉(スマイルビット広報)
『ダビつく3』 開発者対談 <第1回>
【対戦について】  【音声実況】  【レース】  【キャラクター】
  宮:いやぁ、終わったねぇ。
ピ・K:はぁ?
  宮:マスターも納品したし。
  ピ:してない、してない。
  宮:あれ、そうだっけ?
  ピ:あんたがマスター直前に、無茶なリクエストするから終わらないんですよ。
  宮:まあ、競馬ゲームなんてそういうもんでしょ。
  ピ:だいたいたいだい、ステイヤーが底力で追い込む短距離戦なんてプログラムできないっちゅーの。
  宮:でも、やればできたじゃん。言ってみるもんだな。
  ピ:まあ、まあ。ともかくゲーム要素はすべて完成で、あとはバグチェックだけというところですから。
  宮:あっ、そうだ。こういうのどうかな。・・・(自粛)・・・
ピ・K:うっぎゃぁぁぁぁぁぁ!

【対戦について】
  K:では気をとりなおして。お二人に「ダビつく3」について色々とお話をうかがいたいと思うのですが。
  ピ:へいへい。
  K:まずは、ダビつくファンの皆さんがかなり期待しているネットワーク対戦について。
  宮:いやん。
  ピ:また、いきなり苦しいところを・・・。
  K:ということは、対戦はないということですね。
宮・ピ:ございません。
  K:技術的に難しかったということですか。
  宮:技術的には難しくないですね。ただ手間とコストがめったやたらとかかる。当然発売も延びる。ドリームキャストの時にすべてのハードがネットワーク対応であるという状況で、10万本発売でネット登録が4000人。PS2/ゲームキューブのネットワーク事情を考えると、今回はごかんべんというのが正直なところですね。これ以上ソフトの価格をあげるわけにもいかないし。
  ピ:その代わりと言ってはなんですが、パスワード対戦を可能にしました。もちろん、繁殖馬の交換も可能です。
  K:パスワードですか。ちょっと古くさくないですか?
  宮:確かに古くさい手法だけど、ユーザー対戦の手段としては一番確実だと思います。結果的にはメールでパス交換して対戦とか、繁殖馬交換とかは、ドリームキャストより盛んになるんじゃないかな。極端にいえば、PCのネット環境のない人でも、ハガキでも電話でも通信できるわけだから。
  ピ:対戦BBSも用意する予定ですしね。ただ・・・。
  K:ただ?
  ピ:ちょっと問題があって・・・。
  K:なに、なに?
  ピ:パスワードがやたらめったら長いんですよ。
  K:というと、50文字とか。
  ピ:南斗水鳥拳、96文字!
  K:うへえ。そりゃ、長いですねぇ。
  宮:ダビつくってパラメータがやたらに多いんですよ。いっそ対戦では四大能力以外無視しようかと思って実験してみたんですが。
  ピ:これが、つまんないんだ。
  宮:いかにも能力差そのまんまという感じで、だったらレースなんかしないで、数字だけ比較して終了と変わらない。
  ピ:あとは馬具とかね。
  宮:今回はメンコもバンテージもカラフルだからね。せっかくかっこいいメンコにしたのに友達に送ると再現できないというわけにもいかないでしょう。
  ピ:名前のアクセントなんかも対戦でいきなり平板にするわけにもいかんし。
  宮:あと使い勝手を考慮して。濁音、半濁音、小文字、数字なんかは使ってないところですかね。こういうの使うと多少は短くなるんだけど、「ば」と「ぱ」とか、「せ」と「セ」とかテレビによっては間違いやすいでしょう。
  ピ:特に対戦する場合、パスワードの誤記って絶対あるだろうし、できるだけそういう揉めごとの種はなくしておこうと思いまして。その分入力文字数は増えてしまいましたが。パスワードからつくろう馬ファイルが作れるので、連続対戦する時の再入力は楽にできるようにはしてるんですが、やっぱり長いという批判はあるでしょうね。すみません。
  宮:私の好きな野球ゲームの選手交換パスも、なんでこんなに長いんじゃぁと思ってたんですが、あれもパラメータ多いからだったんですねぇ。ともかく、ネットとパスワードについては、いろんな意味ですみません。
  K:その他で対戦について、ここが進化したというようなところはありますか?
  ピ:ダビつくには本編の他に対戦用の「つくろうカップ」とシミュレーション用の「つくろうレース」というモードがあるんですが、「つくろうレース」はまた後で説明するとして、「つくろうカップ」を重視する人というのは、やはり最強馬生産にモチベーションを感じる人で、ある意味でこれまでの「ダビつく」シリーズに対して一番意見を言ってくれた人なんですね。そういう意見はできるかぎりとりいれてきたつもりです。
  K:具体的には?
  ピ:興味ない人にとっては、ホント細かい話なんですが、つくろう登録をする時に脚質を設定できるようにしたり、「つくろうカップ」に登場する実在ライバル馬の年齢設定ができるようにしたりですね。これで、伝説の4歳スズカといつでも対戦できます。
  宮:それとハンデ戦ね。
  ピ:そうそう、今回はハンデ戦もできるようになってます。ユーザー同士の対戦でも遊べるし、3歳タキオンに10キロあたえてぶっちぎったとかもありえますね。
  宮:そんな馬ありえないけどね。
  ピ:でたよ。タキオン マニ。まさか、またパラメータこっそりいじったとか。
  宮:ふふふ。
  K:ライバル馬のパラメータは誰がつけてるんですか?
  ピ:ライバル馬については前回までの強さの修正という感じ。もちろんレースの内部システムが変わったところは全面やり直しですが。基本的には「ていおー」というプランナーがやってます。で、このじじいが時々夜中にやってきて、なんか洗脳してるんですよ。
  宮:だって、ほっとくとエイシンバーリン最強とかになるやん。
  ピ:ああ、エイシンバーリン マニもいるんだよなぁ。
  宮:そういやローエングリンもえらく強くないか。
  ピ:ローエングリン最強!これは定説。
  K:おふたりの馬の好みはおいといて、対戦機能もずいぶん充実させたということですね。
宮・ピ:おお、よくまとめた。(拍手)

【音声実況】
  K:さきほども、ちょっと話題にでた音声実況についてですが、今回はかなり力をいれたとか。これはいつ頃決まったのですか?
  宮:実は第1作からいれようと思ってたんですよ。実況だけなら「サカつく」のノウハウがあったわけだし。
  ピ:競馬ゲームでも最近は入っているのが普通だし、対応してないのはけっこう後ろめたかったよね。
  宮:ただ、ダビつくは「サカつく」とは違い、オリジナル馬名にこそ思い入れがあるので、それが呼ばれないというのはどうかなと。それにやる以上はウリにしたかったけど、他と同じというのはなかなかウリにしにくいという事情もあって、「2」でも結局見送りになったんですよ。
  ピ:どうしてもやるんだという気持ちになったのは、あれかな。セントライト記念の中山競馬場イベント。
  宮:そうそう。あれは気持ち良かった。
  K:確か競馬場でその日のレースシミュレーションをやったんですよね。
  宮:昼休みに中山競馬場の大型スクリーンでセントライト記念の仮想レースを再現したんですが、その時ラジオ日本のアナウンサーのかたに実況してもらったんですよ。それが本当にかっこよくて、これは次は実況必須だなと。
  K:なるほど。そして今回は新技術を開発したわけですね。
  ピ:セガの技術開発をやっている部門に、ずっと「やりたい、やりたい。」と言ってたら、東芝さんが『楽音』という音声合成の技術を開発中だということがわかりまして、早速ご協力いただいたと。
  K:で、音声合成というのはどういう技術なんですか?「シーマン」みたいなもの?
  宮:それは、音声認識。おのれはど素人か。
  ピ:要は、あらかじめ録音したアナウンサーの声を「音素」という成分に分解し、入力されたテキストデータに対応させて単語の発音を合成する仕組みですね。そこにアクセントとか無声化といった装飾をつけると、それらしく聴こえるわけです。
  K:これは業界初?
  ピ:家庭用ゲームでは「NUDE」とかも使ってると思いますが、競馬ゲームでは初めてだと思います。けっこういい感じですよ。
  K:名前はどういうのをつけてもいいんですか?
  ピ:日本語として発音不可能なものはダメですけどね。アァァァァァァァンタとかね。
  宮:オッンセッンとかもダメ。
  ピ:モォットォもね。
  K:はぁ。誰もそんな名前つけないと思いますけど。
  宮:あとは、ダビつくルールで規制しているものもあります。有名馬と同じとか。いくつかのNGワードとか。
  ピ:まあ、具体的にはチ★コとかだめですね。
  宮:エイシンコジーンはよくても、エイチンコジーンはダメね。
  ピ:それを言うならホーマン・・・・。
  K:わかった。よーくわかりました。実例はもういいです。ところで、画面を見ると今回はテキスト実況は無しですか?
  ピ:最初の設定は音声のみになっていますが、オプションでテキスト表示も音声もオンオフできますよ。
  宮:まあ、そのあたりはお好みで。テキストも音声もきって、「走れ、コータロー」を流しながら見るとか。自分で実況してみるとか。
  ピ:そんなの、誰もやりません。

【レース】
  K:さて、常々ダビつくはレース部分にこだわっていると言っていますが、今回の自信のほどは?
  宮:まあ、レースはたぶん永遠に完成しないパートかなぁ。毎回やりのこしたことはあるんですが、そのあたりピクはどう?
  ピ:今回は、なかなか神が降りてこなくて。
  宮:前も同じこと言ってたような気がするなぁ。
  ピ:でも、降りてきたのがすっごい神様。
  K:ほぉ。その神様の霊験はどのあたりに反映されてるんですか?
  ピ:誰も気がつかないところかなぁ。
  K:意味ないじゃないですか。何か具体的にここが変わったというのはないんですか?
  宮:3作めにして、ついに馬群をさばけるようになりましたね。
  K:前づまりがなくなったということですか?
  宮:なくなったのではなく、騎手がかなり柔軟に進路選択するようになったと表現するべきかな。前が絶対つまらないというのは競馬ではありえませんから。6頭だてでも詰まる時は詰まるし。太さんとか。
  ピ:その話好きだねぇ。
  宮:ヤマトオーの単勝、3万も持ってたんだぞ。勝った馬なんだっけ、ニジンスキー最後の傑作とかいうの。ヒシマサル?それはセクレタリアート最後の傑作か。えーっと、ほら、種牡馬になって凄い頭数種付けして・・・。
  K:宮ちゃんは遠い世界に行ってしまったようですが、その馬群の話ってゲーム性が変わるようなもの?
  ピ:ゲーム性がころっと変わるものでもないけど、印象はだいぶ変わるかな。騎手指示で「追い込み」-「イン強襲」が増えると思いますよ。
  K:「追い込み」有利になったんですか?
  ピ:うんにゃ。単に決まると気持ちいいから。
  宮:競輪じゃないんだから、前にいってる馬が有利に決まってるって。
  ピ:でも以前は力があっても、前の馬が全部インにつめてたから、追えなかったんですよ。で、今回は比較的バラけるのと、進路変更をじゃっかん甘くしてるので、力があればバンバン抜けてきますね。
  宮:たまにハードバージの皐月賞みたいなのも見るよ。
  ピ:ふっる〜。
  宮:その意味では、インが甘い日本の競馬に近づいたと。
  ピ:確かに、実際の競馬ではデザーモもデットーリもインコース取りたい放題だもんなぁ。
  K:宮ちゃんは逃げ・先行が多いんですか?
  宮:ボクも最近は「追い込み」ばっか。「大外一気」が多いけど。
  ピ:後ろから行って大外をブチぬくには2クラスぐらい違わないと無理でしょう。インが荒れてくると違うかな。
  宮:インが悪いと、最後のひとのびでかわせるね。気分はサイコー。愛ちゃん大喜び。

【キャラクター】
  K:愛ちゃんといえば、今回はキャラクターデザインが変わりましたね。
  宮:前作のユーザーアンケートで不満点の堂々2位でしたからね。
  ピ:今回は試みに外部の漫画家さんに頼んでみました。
  K:板橋SYUFOさんですよね。このかたを選んだ理由というのは?
  ピ:ウェブコミックに積極的で直接デジタルデータでイラスト描いてもらえたというのが大きいかな。「アイシティ」なんか見るとわかりますが、今回のダビつくのキャラクターは彼が紙媒体で描いてるタッチとは違うんだけど、ベテランなんでそういうタッチの修正なんかも早くてうまいですし。それと、何人か候補を選んだ時に、妙に宮ちゃんにささってたんだよね。
  宮:昔、少年少女SFマンガ大全集とかあって、その頃からの人だよね。「ペイルココーン」とか。当時は板橋しゅうほうという表記だったけど。まさか、いっしょに仕事する日が来るとは。カンドー。
  ピ:競馬もオタクだけど、マンガもオタクなんだねぇ。
  K:具体的にいうと、「愛ちゃん」とか「ケイコ先生」はずいぶん可愛くなりましたねぇ。
  宮:「愛ちゃん」サイコー。もうどんなヘタレ騎乗しても許す。
  ピ:星岡兄弟は我慢して使いつづけるといろいろ良いことがあるので、対戦命という人以外は誰もが使うと思うけど、90%は「愛ちゃん」選択するでしょうね。
  宮:グッズ売れないかな。
ピ・K:ありえない・・・。
  宮:もうちょっと露出の激しい服着せときゃよかったか。GT全制覇で「愛ちゃん」のムフフ壁紙ゲットとかいれてない?
  ピ:ない、ない。
  宮:ムハムハ殿下の目覚まし時計とかもダメ?時間になると、「1億!」とか言うの。
  K:ははは。そういえば、今回はムハムハ3兄弟が登場だとか。
  宮:「ダビつく3」だからね。
  ピ:うまいっ!
  K:・・・。

《つづく・・・》

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